朝九時、下関に到着。税関を通るまでは法的に入国したことにはならず、私が正式に日本に帰ってきたのは午後二時であった。一体何があったのか。知りたかったら本人に聞いて欲しい。

 

 ターミナルを出た。「何で日本人は信号守ってんの?」と思った。

 

 電車に乗って山口に帰る。車中、どうも違和感がぬぐえない。全く見知らぬ新しい国に来たように錯覚する。聞こえてくるのは日本語で、それを理解することもできる。それなのに初めて訪れたかのような背筋のむず痒さは一体なんだろう。まあ、しばらくすれば慣れるだろうと思う。

 

 四時ごろ山口のアパートに着いた。

 

 まずすることは上から下まで服を全部洗濯機にかけることだった。中国の匂いが染み付いている。ジャケット、ジャンパー、リュックサックに至るまですべて洗濯した。

 

そして風呂だ。二週間、私は湯船に浸かるということをしていない。シャワーですらもう二晩も使っていないのだ。シャンプーを五回して、からだを三回洗った。小さなバスタブから湯の溢れるのを見て、私は「ああ、やっと帰ってきたよう」といった。

 

                         終わり。